【C言語】 char型の変数にint型の値を代入する方法と注意点を解説

C言語において、char型とint型は異なるデータ型ですが、char型にint型を代入することができます

しかし、その結果は予想外のものになる場合があります。

この記事では、char型にint型を代入した際の挙動や注意点について解説していきます。

目次

char型とint型の違いについて

char型とint型は、C言語において異なるデータ型です。

char型は、1バイトの符号付き整数を表します。一方で、int型は4バイトの符号付き整数を表します。

char型は主に文字列や文字を扱うために使用されますが、int型はより大きな数値を扱うために使用されます。

char型にint型を代入するとどうなるのか

char型は1バイトの符号付き整数を表し、int型は4バイト(32ビット)または8バイト(64ビット)の符号付き整数を表します。

ここからは、char型にint型を代入する場合、どのような挙動が起こるかについて解説します。

ASCIIコードに基づく変換

まず、char型にint型を代入する場合、ASCIIコードに基づいて変換されます。

ASCIIコードとは、文字や記号などを数字で表現するための規格であり、0から127までの範囲が定義されています。例えば、文字列”hello”をchar型の配列として宣言した場合、

char str[] = "hello";

各文字は以下のようにASCIIコードで表現されます。

文字ASCIIコード
h104
e101
l108
l108
o111

このように、char型は文字や記号を数字で表現するためのデータ型です。

そのため、printf関数で%dフォーマットで出力すると、文字ではなくその文字と対になる数値が出力されます。

char c = 'A';
int i = c;
printf("%d\n", i); // 出力結果: 65

上記の例では、char型変数cに’A’という文字が代入されています。

そして、そのc変数をint型変数iに代入しています。

この時点でi変数は65という値が格納されます。これは'A'という文字がASCIIコード上で65番目(10進数)だからです。

char型にint型を代入する際の注意点

char型は1バイトで表現される文字を扱うためのデータ型であり、int型は4バイトで表現される整数を扱うためのデータ型です。

扱える数値の範囲が異なるため、char型にint型を代入する場合には注意が必要です。

文字列として扱う場合の問題点

char型にint型を代入する場合、ASCIIコードに基づいて変換されます。

つまり、int型の値がASCIIコード上で表現可能な範囲内であれば、その値が対応する文字としてchar型に格納されます。

しかし、int型の値がASCIIコード上で表現不可能な場合や負の値を含む場合、意図しない文字列が生成されることがあります。例えば、以下のようなコードを考えてみましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    int num = 65;
    char c = num;
    printf("%c\n", c);
    return 0;
}

このプログラムでは、変数numに65を代入し、それをchar型の変数cに代入しています。そしてprintf関数でcの値を出力しています。このプログラムを実行すると、「A」という文字列が出力されます。

しかし、以下のようなコードではどうでしょうか?

#include <stdio.h>

int main() {
    int num = 128;
    char c = num;
    printf("%c\n", c);
    return 0;
}

このプログラムでは変数numに128を代入し、それをchar型の変数cに代入しています。そしてprintf関数でcの値を出力しています。

このプログラムも実行すると、「�」(表示されない文字)という文字列が出力されます。

これは128に割り当てられている文字がASCIIコードに存在しないからです。

このように、ASCIIコード上で表現不可能な値や負の値を含む場合は意図しない文字列が生成されることがあるため注意が必要です。

代替手段としての型キャスト

C言語において、char型にint型を代入することは可能ですが、その際には注意が必要です。しかし、char型にint型を代入する必要がある場合もあります。そのような場合には、明示的な型キャストや暗黙的な型キャストを利用することができます。

明示的な型キャストの方法

明示的な型キャストとは、プログラマーが明確に変換したいデータ型を指定して変換する方法です。以下のように、(char)というキャスト演算子を使用して変換します。

int num = 65;
char c = (char)num;

この例では、int型の変数numにASCIIコードで表された文字’A’の値である65を代入し、それをchar型の変数cに代入しています。

この場合、明示的なキャスト演算子を使用しているため、コンパイラは警告を出さずにコンパイルされます。

暗黙的な型キャストの方法

暗黙的な型キャストとは、プログラマーが意図しなくても自動的に行われるデータ型の変換方法です。以下のような例では、int型からchar型への暗黙的な変換が行われます。

int num = 65;
char c = num;

この例でも同様にASCIIコードで表された文字’A’の値である65を代入し、それをchar型の変数cに代入しています。

しかし、明示的なキャスト演算子を使用せずに暗黙的な変換が行われているため、コンパイラから警告が出力される可能性があります。

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