C言語のfor文の使い方をわかりやすく詳しく解説

C言語において、for文は繰り返し処理を行うための重要な構文の一つです。

しかし、初心者にとってはfor文の使い方が難しく感じることもあるでしょう。

そこで本記事では、for文の基本的な使い方から応用的な使い方まで、わかりやすく詳しく解説します。

for文とは

for文は、プログラミングにおいて繰り返し処理を行うための制御構造の一つです。ある条件が満たされている間、同じ処理を繰り返し実行することができます。

C言語におけるfor文の基本的な構文は以下の通りです。

for (初期化式; 条件式; 更新式) {
    // 繰り返し実行する処理
}

初期化式は、ループ変数を初期化するための式です。条件式は、ループ変数がどのような条件を満たす場合にループを継続するかを指定します。更新式は、ループ変数を更新するための式です。

例えば、1から10までの整数を順番に表示するプログラムをfor文で書くと以下のようになります。

#include <stdio.h>

int main() {
    int i;
    for (i = 1; i <= 10; i++) {
        printf("%d\n", i);
    }
    return 0;
}

このプログラムでは、iという変数を初期化してから、iが10以下である限りprintf関数でiの値を表示し、iを1ずつ増やしています。最終的にiが11になった時点で条件式が偽となり、for文から抜け出します。

以上がfor文の基本的な使い方です。次節以降では、より応用的な使い方や注意点について解説していきます。

for文の応用例

for文は、繰り返し処理を行うための構文であり、配列操作などで頻繁に使用します。

ここでは、for文を使った応用例について解説します。

for文を使った配列の要素の合計値の計算

まずは、for文を使って配列の要素の合計値を計算する方法を紹介します。以下は、int型の配列aに格納された要素の合計値を求めるプログラムです。

#include <stdio.h>

int main() {
    int a[] = {1, 2, 3, 4, 5};
    int sum = 0;
    int i;

    for (i = 0; i < 5; i++) {
        sum += a[i];
    }

    printf("sum = %d\n", sum);

    return 0;
}

このプログラムでは、変数sumに初期値として0を代入し、for文で配列aの各要素を順番に加算しています。最後に、sumの値を出力しています。

for文を使った九九の表の作成

次に、for文を使って九九の表を作成する方法を紹介します。以下は、2から9までの数字で掛け算した結果を表示するプログラムです。

#include <stdio.h>

int main() {
    int i, j;

    for (i = 2; i <= 9; i++) {
        for (j = 1; j <= 9; j++) {
            printf("%d x %d = %d\n", i, j, i * j);
        }
        printf("\n");
    }

    return 0;
}

このプログラムでは、2から9までの数字で掛け算した結果を表示するために二重ループが使用されています。

外側のループで掛ける数iが決まり、内側のループでかけられる数 jが決まります。printf関数で式とその結果が表示されます。

for文を使った素数判定

最後に、for文を使って素数判定する方法について解説します。以下は、入力された整数が素数かどうか判定するプログラムです。

#include <stdio.h>

int main() {
    int n;
    int i;

    printf("正数を入力: ");
    scanf("%d", &n);

    if (n == 1) {
        printf("%d は素数ではありません.\n", n);
        return 0;
    }

    for (i = 2; i <= n / 2; ++i) {
        if (n % i == 0) {
            printf("%d は素数ではありません\n", n);
            return 0;
        }
    }

   printf("%d は素数です.\n", n);

   return 0;
}

このプログラムでは、入力された整数が1以外かどうか判断し、その後forループで割り切れる数があるかどうか確認しています。割り切れる場合は「素数ではない」と出力し、割り切れない場合は「素数である」と出力します。

一見大変そうな素数の判定もfor文を使えば簡単に求めることが可能です。

for文の注意点

for文は、プログラミングにおいて非常に重要な制御構造の一つです。しかし、使い方を誤ると思わぬバグを引き起こすことがあります。以下では、for文を使用する際に気をつけるべき注意点について解説します。

無限ループに注意

for文で無限ループが発生することがあります。これは、ループ条件の設定を誤った場合や、カウンタ変数の更新処理を行わなかった場合に発生します。

例えば、以下のようなコードでは無限ループが発生してしまいます。

for(int i = 0; i < 10;){
    printf("Hello, world!\n");
}

このコードでは、カウンタ変数iの更新処理が行われていない(i++が抜けている)ため、iは常に0のままです。そのため、ループ条件である「i < 10」が永遠に成立し続けるため、無限ループが発生してしまいます。

このような無限ループはプログラムを停止させる原因となります。そのため、for文を使用する際は必ずカウンタ変数の更新処理を行うようにしましょう。

for文のネストに注意

for文は他の制御構造と同様にネスト（入れ子）構造で使用することができます。しかし、ネストしたfor文は複雑化しやすくバグも起きやすくなります。

例えば以下のようなコードでは、「i」と「j」それぞれの値がどちらも1から5まで変化する九九表を作成しています。

for(int i = 1; i <= 5; i++){
    for(int j = 1; j <= 5; j++){
        printf("%d * %d = %d\n", i, j, i*j);
    }
}

このようなネストしたfor文では、「i」と「j」それぞれの値がどちらも正しく更新されているか確認する必要があります。また、複雑化したコードでは意図しない動作やバグも起きやすくなります。そのため、必要以上にネストしたfor文は避けるよう心掛けましょう。

以上がC言語でfor文を使用する際に気をつけるべき注意点です。これらのポイントを押さえて正しく使いこなせば効率的かつ安全性高いプログラム開発が可能です。