コンビニが24時間営業を廃止したワケや廃止に至ったきっかけを解説

最近のコンビニでは24時間営業を廃止する方向で経営の改革を進めています。

現状は24時間営業しているコンビニがほとんどですが、都心にあるコンビニなど一部のコンビニでは既に24時間営業を取りやめています。

客側からすると24時間営業を廃止されると少し不便に思うかもしれませんが、なぜ24時間営業を廃止しようとしているのか、そして24時間営業廃止した店舗ではどのような変化があったのか解説していきます。

目次

コンビニが24時間営業の廃止をし始めた理由

きっかけはファミレスの24時間営業の取りやめ

きっかけは深夜のファミレス人数が徐々に落ちていって、深夜営業をするメリットが少なくなっていったことが原因です。

昔は深夜のファミレスは仕事終わりなどで集まる場所として重宝していましたが、現在はインターネットが普及・LINEやInstagram・Facebook・Twitterなどのコミュニケーションツールの普及によって、いつでもどこでも友達などと交流できるようになっています。

それによって、わざわざファミレスなどのお店に集まって喋る・遊ぶ必要がなくなり、ファミレスニーズが減少しました。

もう一つの大きな理由が飲酒運転規制です。

車を運転するには関わらず仕事終わりにファミレスや居酒屋などでお酒を飲み、その後交通事故を起こすことが当時多発していたため、飲酒運転に関して厳しい規則が定められました。

それによって夜に飲食店でアルコール類を飲む人が減ったのですが、その影響が深夜営業をするファミレスにとって大ダメージだったのです。

そこにLINEなどのコミュニケーションツールの普及がとどめを刺し、24時間営業を廃止するファミレスが急増、その流れがコンビニにも波及したのです。

コンビニオーナーからの不満が徐々に大きくなっていった

ファミレスが24時間営業を廃止し始めたときはコンビニ側で何か動きがあったわけではないですが、働き方改革が進むにつれコンビニオーナーからの不満の声が表に出てくるようになりました。

不満の声が出てき始めたときは特に大きな話題になることもなかったのですが、人手不足を理由にセブンイレブンのオーナーが本部に無断で時短営業に踏みきったところから議論が白熱し、コンビニ各社も対応を急がされました。

議論はコンビニ業界を飛び越えて経産省まで広がった末に当事者等の事態は収拾しましたが、その騒動をきっかけにコンビニ各社は時短営業の取り組みを進めています。

24時間営業を廃止したコンビニ一覧

まだまだ24時間営業しているコンビニは非常に多いですが、各種コンビニが24時間営業を少しずつ廃止しています。

元々24時間営業を求めていないコンビニもあります。

続いてはコンビニの24時間営業について、各コンビニの対応について見ていきましょう。

ローソン

実は、ローソンは24時間営業が問題になる以前から各店舗の人手不足などからくる時短営業に関する規定を盛り込んでいました。

ローソン本部は人手不足問題の解消、従業員の負担改善などを行っており、深夜時間帯の無人営業実験も行っている程度にはIT投資も積極的に行っています。

実際に24時間営業問題が白熱する以前から時短営業をしている店舗も存在していました。

しかし、店舗のオーナーは24時間365日営業前提として加盟しているほか、時短営業による売上の低下などがわからないことによる不安からオーナーはなかなか時短営業に踏み切ることができず、ほぼ全ての店舗が24時間営業を継続していました。

「時短営業についてはオーナーが判断」という原則のもとではありますが、本部側とオーナー側でズレが生じていたためオーナー向けのセミナーやストアコンピューターなどを通じて時短営業を選択可能ということを再三周知しています。

おそらく最初に交わされた契約がかなり厳しいものだったのでしょう。

時短営業を行っている店舗はローソン・ファミリーマート・セブンイレブンの中では最も少なく、約400店舗にとどまっています。

ファミリーマート

ファミリーマートは24時間営業が基本でしたが、2019年に時短営業のガイドラインの概要を公表し、2020年6月から時短営業するかどうか、コンビニを経営しているオーナーが選択できるように経営方針を大きく変更しました。

2020年6月時点で時短営業に切り替えた店舗数は787店舗であり、現在も増え続けています。

駅構内や施設内のコンビニなど元々24時間営業できない店舗では関係のない話ですが、時短営業のガイドラインの適用によって着実に24時間営業の取りやめを進めています。

セブンイレブン

コンビニの24時間営業問題の中心にいたセブンイレブン。

コンビニオーナーのことを考えていない本部の方針でコンビニオーナーに限らず全国で大きく荒れていましたが、当のセブンイレブンも(おそらく不本意ながら)時短営業の取り組みを進めています。

時短営業に切り替わったセブンイレブンの店舗数は意外と多く、全国で1000店を超えています。

24時間営業を取りやめることによる売上高・利益率の変化などを直営店で調査する営業時間短縮実験も行っており、時短営業を進める方針に切り替えてからは積極的に取り組んでいます。

デイリーヤマザキ

デイリーヤマザキは、原則24時間営業となっています。

原則24時間営業ですが、売上高や客数の変化、人手不足など様々な問題があった場合は個別対応という形で24時間営業しなくて良いということになっています。

文面だけ見ると24時間営業の歯医者に積極的ではないと思いますが、Google マップで確認すると24時間営業をしていない店舗(駅構内や施設内など元々24時間営業できない店舗は除く)の割合がほかのコンビニよりも多いため、個別対応の件に関しては積極的に対応しているのだと思われます。

セイコーマート

セイコーマートはコンビニの中だと一番24時間営業の店舗が少ないかもしれません。

セイコーマートはコンビニの中では珍しく基本方針として16時間営業が原則になっており、24時間営業を求めていません。

そのため、実際に24時間営業を行っている店舗は全体の20%程度に留まっており、24時間営業している店舗の方が珍しいということになっています。

24時間営業を廃止したコンビニで起きた変化

営業時間を短縮することでお客様を迎え入れられる時間が少なくなるので売上高などに悪影響が出るのではないかと考えがちですが、実はそういうわけでもないようです。

続いては一体どのような変化があったのか見ていきましょう。

収益が増加した

一番大きな変化は収益が増加したということでしょう。

営業時間を短縮したことによって人件費が大幅に少なくなり、余った人件費がそのまま利益に変わりました。

営業時間を短縮したことによって客数が減少、無料自宅の現象が発生したのではないかという予測もありましたが、実際のところは客数はほとんど減っておらず、結果的に収益が大幅に増加する結果となりました。

引用 – DIAMOND Online

客数が増加した

収益の話でも少し触れましたが、営業時間を短縮しても客数に変化はなかったようです。

なぜこのような客数の増加現象が起きたか分からない人がほとんどでしょう。

これまでコンビニは24時間営業が普通だったためいつ行っても開いているということが常識レベルで普通でした。

ですが、営業時間が限定された(24時間営業ではなくなった)ことによって、「コンビニが閉まる前に必要なものを買っておかなければならない」という焦りの心理が客側に働くようになったため、営業終了前の夜間の客数がほぼ倍増する結果になったのです。

これまで深夜帯・明け方に来ていた人たちが閉店前に駆け込むようになったのでしょう。

営業時間短縮の営業を一番受けた朝方の客数は少し減ったようですが、それを無視できるくらい大幅な客数増加があったため客数が増加、総合的な収益の増加にもつながっています。

引用 – DIAMOND Online

オーナーの閉め作業・準備作業が少し増えた

24時間営業のコンビニでは、シフトに入っているアルバイトの人がフライヤーやコーヒーマシンの洗浄などを行っています。

ですが、24時間営業を取りやめたことによって普通の飲食店と同じように閉店時にフライヤーやコーヒーマシンなどの掃除をするようになりました。

フライヤーやコーヒーマシンの掃除は、コンビニ業務の中でもあまり人気がないようで閉店時間と被る時間帯にシフトを入れてくれるアルバイトは少ないようです。

そのため、閉店時間が絡む時間帯にトイレている人がいなかった場合はオーナーが閉め作業を行うことになるので、少し残業が増えがちなようです。

そもそも24時間営業の時は提示とは何かというくらい働いている時間が長かった(全体の3割以上のオーナーが1日12時間以上働いていた)ので、これまでと比べると全然苦ではないのでしょう。

24時間営業のコンビニは現在も減り続けている

24時間営業やめたことによって客数増加・増益したという前例がハッキリと出ているため、今後も少しずつ24時間営業を取り止めるコンビニは増えていくことでしょう。

24時間営業しているコンビニはとても便利ですが、そのコンビニを営業しているのは普通の人間です。

もし最寄りのコンビニが24時間営業を取りやめた場合は、そのコンビニ営業時間に合わせてコンビニを利用するようにしましょう。

決して、24時間営業やめたことに対するクレームを入れる非常識モンスターになってはいけません。

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